防音工事の費用はどのくらい?マンションでもリフォーム可能?
戸建てやマンションで生活していると、足音やテレビの音、子どもの声など、生活音がトラブルの原因になることも少なくありません。
防音工事は快適性の向上にとどまらず、近隣との良好な関係を維持するための重要な投資とも言えます。音のトラブルに悩む方には特におすすめのリフォームです。
ただし、防音工事には様々な種類があるので「どの防音工事がいいのか?どの程度の費用相場なのか?」と不安に感じる方も多いと思います。
そこで、本記事では防音工事の費用相場から、マンションでも可能なリフォーム方法、さらには信頼できる業者の選び方までをまとめたので、ぜひ最後までお読みいただき、防音工事を検討する際の参考にしてみてください。
騒音トラブルを解消!防音工事の種類と効果
防音工事は単なる快適性の向上だけでなく、近隣との良好な関係を保つための重要な投資です。
部屋の壁が薄いマンションや、隣接する住宅との距離が近い戸建てに住んでいると、話し声や足音、テレビの音など、日常生活で発生する音が思わぬトラブルの原因になることがあります。
特に、子どもがいる家庭や楽器演奏を楽しみたい方にとって、防音工事は生活の質を向上させる解決策となるのでおすすめです。
主な防音工事の種類と特徴
防音工事は大きく分けて床・壁・窓の部分的な防音工事と、より本格的な防音室の設置や部屋全体の防音リフォームの4種類に分けられます。
- 床の防音工事… 足音や洗濯機の音を抑える
- 壁の防音工事… 室内の音漏れや屋外の騒音を緩和
- 窓の防音工事… 室内の音漏れや屋外の騒音を緩和
- 防音室の設置・防音リフォーム… より高度な防音
床の防音工事
床の防音工事では、足音や洗濯機の音を抑える効果が期待できます。
床の防音工事は、衝撃を吸収する床材を用いることで、床下へ音が響くのを最小限に抑えることが期待できます。
壁の防音工事
壁の防音工事では、室内の音漏れや屋外からの騒音を緩和できます。
壁内に吸音材や遮音シートを施工して音の反射を防ぐことによって、音が振動として室外に漏れることを防止できます。
窓の防音工事
窓の防音工事では、壁と同様に室内の音漏れや屋外の騒音の緩和が期待できます。
単板ガラスを複層ガラスに交換したり、二重サッシにしたりする方法があり、気密性が向上して屋外からの騒音や室内の音漏れを緩和します。
防音室の設置・防音リフォーム
より高度な防音設備を導入したい場合には、防音室の設置や部屋全体の防音リフォームがおすすめです。
小型の防音室を設置したり、一室の壁や天井、床などに適した防音設備を設置することで音漏れを防ぐ事ができます。
自宅で楽器の演奏を行いたい方や配信や動画投稿を行っている方は専用部屋を作るのも良いでしょう。
防音工事の費用相場と工事内容
防音工事を検討する際、まず気になるのは施工にどのくらいの費用がかかるのか、そして予算内で効果的な工事ができるのかという問題です。
防音工事にはさまざまな種類があり費用相場も工事内容によって異なるので、それぞれ目的や予算に応じた方法を選ぶのが大切になります。
床や壁、窓などの部分的な防音から、防音室の設置や部屋全体の防音まで、効果と費用を考慮した計画が必要です。
ここでは主な防音工事の費用相場について解説します。
床の防音リフォームの費用は約25~80万円
床の防音リフォームには、遮音フローリングへの張り替え、遮音マットを床材の下に敷く方法、床材下に吸音材を敷く方法があります。
床には遮音等級という指標があり、参考としてマンションの管理規約では遮音等級L-45以上の規定が多く挙げられています。
リフォームを行うことでどれほど等級が変わるのかなどについても事前に確認しておくと安心です。
6帖の部屋における床の防音リフォーム費用相場は以下の通りです。
- 遮音フローリングに張り替え… 約25万〜30万円
- 遮音マットを床材の下に敷く… 約30万〜60万円
- 床材の下に吸音材を敷く… 約35万〜80万円
壁の防音リフォームの費用は約2~25万円
壁の防音工事には、壁内に吸音材と遮音シートを施工する方法と、換気口を防音仕様に取り替える方法があります。
壁からの音漏れは隣室への騒音トラブルの原因となりやすく、特にテレビの音や話し声などの生活音が気になる場合には効果的な対策となります。
施工方法によって防音効果や工期も異なるため、目的に応じた選択が重要です。
壁の防音リフォーム費用相場は以下の通りです。
- 壁内に吸音材と遮音シートを施工する… 16㎡あたり約18万〜25万円
- 換気口を防音仕様に取り替え… 約2万〜5万円
窓の防音リフォームの費用は約6~13万円
窓の防音には、単板ガラスから複層ガラスの防音仕様への交換と、二重サッシの設置があります。
窓は外部からの騒音が最も侵入しやすい箇所であり、交通音や近隣の生活音などを効果的に遮断できます。
また室内の音が外部に漏れることも防げるため、楽器演奏や子どもの声などが気になる家庭にとって重要な対策となります。
窓の防音リフォーム費用相場は以下の通りです。
- 防音仕様の窓ガラスに交換する… 腰窓:約6万円/掃き出し窓:約9万円
- 二重サッシにする… 腰窓:約7万円/掃き出し窓:約13万円
防音室設置と部屋全体の防音リフォームの費用は約55~500万円以上
より高度な防音には、防音室の設置や部屋全体の防音リフォームがあります。
防音室は楽器演奏やホームシアター、在宅ワークでのWeb会議など、本格的な防音が必要な用途に最適です。
部屋全体の防音リフォームは既存の部屋を完全に防音化する方法で、新築並みの防音性能を実現できますが、工期や費用も大規模になります。
費用相場は以下の通りです。
- 組み立て式防音室…
小型(0.8帖〜1.7帖):約55万〜140万円
中型(2.0帖〜3.5帖):約85万〜180万円
大型(3.5帖〜4.3帖):約125万〜250万円 - 部屋全体の防音…
6帖:約160万〜300万円以上
8帖:約180万〜400万円以上
10帖:約260万〜500万円以上
防音工事の費用を抑える3つのポイント
防音工事は効果を高めるほど費用が増加する傾向がありますが、賢い計画と工夫によって予算内で最大限の効果を得ることが可能です。
複数業者からの相見積もりを取る、部分的なリフォーム工事から始める、目的に応じた最適工法を選ぶという3つのポイントを押さえることが重要です。
特に騒音が気になる箇所から優先的に工事を行うことで、限られた予算内でも高い防音効果を得られるでしょう。
マンションでもできる!防音工事の注意点
マンションでも、戸建てと同様に防音工事を実施することは可能です。
ただし、マンションの防音工事は一戸建てとは異なる制約や注意点があるため、何も知らずに行うと、最悪の場合、訴訟問題にまで発展する恐れがあります。
ここからはマンションで防音工事を実施する時の注意点をご紹介していくので、安全にリフォームを行うためにもぜひ最後までお読みください。
管理規約を確認する
マンションでの防音リフォームを検討する際、最初に確認すべきなのがマンションの管理規約です。
管理規約で防音基準や素材が決められていたり、マンション全体の修繕計画で防音工事が予定されていたりすることもあります。
そもそも、防音工事が完全に禁止されているところもあるので、事前の確認は必須です。
工事可能な範囲を確認する
マンションの防音リフォームをする際、リフォームをしても良い場所としてはいけない場所が予め決められています。
基本的に壁紙や床材などの内装にあたる部分や、内窓などはリフォーム可能ですが、玄関ドアや外窓といった共用部分の工事は原則禁止されいています。
マンションごとにリフォーム可能範囲は異なるので、防音工事を実施する際は必ず、管理規約を確認するか管理組合に問い合わせて工事しても良いのかを確認しましょう。
賃貸物件なら取り外し可能な防音リフォームがおすすめ
賃貸物件でリフォーム工事をしたい方は大家さんや管理組合の許可が必要ですが、簡単な防音対策なら、許可を貰わずにできます。
原状回復義務のある賃貸では取り外し可能な防音対策が有効で、床の防音対策では、カーペットや吸音性能のあるラグ、衝撃を吸収してくれる市販の防音マットなどがおすすめです。
壁の防音対策では、壁に直接施工せずに吸音パネルや防音カーテンを設置する方法があります。
窓の防音対策としては、防音フィルムを貼る方法や防音カーテンを設置する方法が、工事を伴わないため賃貸物件でも実施しやすいでしょう。
複数見積もりで信頼できる防音工事業者を選ぶ
防音工事を成功させるためには、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
良い業者を見つけるためにも、複数の業者から見積もりを取って比較検討することが最も重要なポイントとなります。
ここでは、優良な業者を見分けるための具体的なチェックポイントと、見積もり比較時に注意すべき項目について詳しく解説します。
①見積書の内訳と詳細項目を確認する
防音工事を依頼する際は、複数の業者から見積もりを取り、それぞれの見積書の内訳を詳細まで確認することも重要です。
「一式」という表記が多い見積書は、後から追加費用が発生するリスクがあるため、材料名や品番、養生費なども明記されているかを必ずチェックしてください。
また、同じ防音工事でも業者によって使用する材料や施工方法が異なるため、見積書の詳細比較により最も適切な提案をしている業者を見極めることができます。
②建材の性能と費用対効果を確認する
目的に応じた性能の建材を使用しているかを確認し、効果を具体的に数値や事例で説明できる業者を選ぶことが重要です。
高額な工事が必ずしも高い効果をもたらすとは限らないため、目的に合った最適な工法と材料を提案してくれる業者かどうかを費用対効果の観点から総合的に判断しましょう。
防音材にはグレードや種類が豊富にあり、価格差も大きいため、自分の予算と求める防音レベルに最も適したバランスの良い建材を提案してくれる業者を選ぶことが成功の鍵となります。
③遮音性能の保証値を明示してくれるか確認する
遮音・防音性能は目に見えず、環境や状況によって大きく変わるため、遮音・防音性能の保証値を提示してくれる業者を選ぶのもポイントです。
保証値とは遮音・防音性能がどの程度なのかを表す値で、D値とも呼ばれ、「D(Dr)-50」のように表記されます。
数字が大きいほど遮音・防音性能が高く、ピアノなど楽器を演奏するために必要な保証値は50〜70程度とされています。
保証値を知ることでどの程度の遮音・防音効果があるのかが分かるので、遮音・防音性能の保証地をしっかり伝えてくれるリフォーム業者を選ぶようにしましょう。
また、D値の他に、L値も明示してくれるかチェックしましょう。
L値は主に床の衝撃音をどの程度抑えることができるかを表す値で、「L-50」のように表記されます。
D値とは異なり数字が少ないほど遮音・防音性能が高く、L-50は小さく聞こえるレベルで、L-30になると通常では聞こえないレベルです。
これらの値についても業者に聞きながら検討すると良いでしょう。
④アフターフォローと保証内容を確認する
防音工事は施工後のサポートも重要で、工事後の保証期間や効果が出ない場合の対応について事前に詳細を確認しておく必要があります。
工事後に問題が発生した場合の連絡先や対応窓口が明確かチェックし、迅速なトラブル対応が可能な体制が整っているかを確認してください。
信頼できる業者を見つけるためには、実績や利用者の口コミも参考になります。
工事実績や担当者の対応で高評価を受けている業者を選ぶことが成功への近道です。
⑤誠実な対応をしてくれるか確認する
リフォーム業者の中には、悪質な業者も存在するので注意が必要です。
こちらの事情を考慮せず、契約を無理やり迫ってくる・断っても営業をし続けるリフォーム業者は、違法な工事や手抜き作業を行う可能性が高いです。
また、「今すぐ契約すれば大幅に値引きできる」と契約を迫る悪質な業者もいますが、工事に直接関係のない理由での大幅値引きは、最初の見積り金額が適正でない可能性もあります。
電話対応や見積もり時の対応をよく観察し、誠実な対応をしてくれるリフォーム業者を選ぶのがおすすめです。
まとめ|防音工事で快適な住環境を実現しよう
本記事では、防音工事の費用相場や効果的な工法、マンションで防音工事をする時の注意点から業者選びのコツまで解説してきました。
防音工事は単なる音漏れ対策だけでなく、快適な住環境を実現するための重要な投資と言えます。
そのため床・壁・窓の防音は、使用する材料や工法によって効果や費用が異なるため、自分のニーズに合わせた選択が必要です。
マンションで防音工事やリフォームを検討している場合には管理規約の確認や許可申請を忘れずに行いましょう。
防音工事の成功には、複数の業者から見積もりを取って比較検討し、工事内容や効果、アフターフォローまで含めて総合的に判断することが大切です。
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