屋根修理詐欺の具体的な手口とは?多発している点検商法とその他事例を解説
近年、日本ではリフォーム業者を装い高額な修理費用を請求する詐欺が急増しています。
なかでも普段目にすることが少ない「屋根」の修理を勧めてくる詐欺が多く、実際に被害に遭われている人も少なくありません。
しかし、「屋根修理詐欺に遭わないためには何を気を付ければ良い?」「詐欺業者の手口は?」など、疑問を持つ人も多いでしょう。
本記事では、実際にあった屋根修理詐欺の手口や、被害に遭わないための注意点について解説していきます。
詐欺業者だと気づいた場合の対処法についても解説していくため、ぜひ参考にしてください。
屋根修理詐欺とは?
近年、リフォーム業者を装う人が家にやってきて「屋根が壊れている」などと指摘し、住人の不安な感情を悪用する「屋根修理詐欺」が横行しています。
もちろん、本当に屋根が壊れているケースも有りますが、知らないリフォーム業者が家に訪ねてきた場合は警戒が必要です。
リフォーム業者の言うことを真に受けて屋根の修理を依頼してしまうと、高額な修理費用を請求される可能性がありますので注意しましょう。
屋根修理詐欺とは?
- 屋根修理詐欺は「点検商法」が主流
- 警視庁や国民生活センターも注意喚起している
屋根修理詐欺は「点検商法」が主流
点検商法とは、リフォーム業者を名乗る人が「無料で屋根を点検する」と謳い、点検後に「屋根が壊れている」「このまま放っておくと家が危ない」など住人の不安を掻き立て、高額な修理費用を請求する悪徳商法のことです。
点検商法を用いる詐欺では、点検を謡い自ら屋根を破損させる事例も存在します。
急に訪問してきて「屋根が壊れている」等の指摘を行うリフォーム業者は詐欺の可能性が高いです。
点検商法は、雨漏りが心配な梅雨の時期や台風などの自然災害後に増える傾向にあるので、十分に注意してください。
警視庁や国民生活センターも注意喚起している
屋根修理詐欺の件数は年々増加しており、警視庁や国民生活センターも注意喚起の声明を出しています。
国民生活センターが公表しているデータでは、2018年から2022年にかけて「屋根工事の点検商法」に関する相談が約3倍に増えていることが分かっています。
実際に点検商法の詐欺被害に遭う人の8割以上が60歳以上の高齢者というデータもあるため、特に高齢者の人は今後も注意が必要です。
参照:国民生活センター
実際にあった屋根修理詐欺の手口
屋根修理詐欺の被害に遭わないためには、実際に業者が用いる手口を知っておくことが重要です。
詐欺業者の手口を把握しておくことで、実際に業者が訪ねてきた際に「これ屋根修理詐欺では?」と事前に気づける可能性が高くなります。
本章では、国民生活センターに寄せられた相談内容を参照し、実際にあった屋根修理詐欺の手口をご紹介します。
実際にあった屋根修理詐欺の手口
- 「屋根がずれているのが見えた」と業者が来訪
- ずれた瓦の写真を見せられ修理工事の契約
- 屋根や外壁、床下等の修繕を次々と勧誘された
- 「近所で工事をしている」と言うので点検を依頼した
手口①:「屋根がずれているのが見えた」と業者が来訪
2023年8月に国民生活センターが相談を受けた事例です。
自宅に突然「近くで工事をしているが、屋根の瓦がずれているのが見えたため、写真を撮って点検します」と言って業者が来訪してきたとのこと。
住人も気になったので頼むと、2人で屋根に上り撮影した写真を見せられた。
その後「このままでは雨漏りするので工事は早いほうがよい。今なら資材の持ち合わせもあり、割引する」と勧誘され、約100万円の契約を結んでしまった。
手口②:ずれた瓦の写真を見せられ修理工事の契約
父の家に「屋根瓦がずれている。雨漏りはないか」と業者が来訪し、一度断ったが、数日後「屋根の状況を見てあげる」と再訪を受け、調査を依頼することに。
スマートフォンで撮った写真で瓦のずれと野地坂の腐食を指摘され工事費約250万円を結んでしまった。
手口③:屋根や外壁、床下等の修繕を次々と勧誘された
屋根の無料点検をしているという業者が訪れ、点検後に屋根工事を依頼し、その後「外壁にもひびが入っている」と言われたのを皮切りに、屋根裏のウレタン吹き付けや床の補強、床下除湿のための換気扇設置等次々と勧誘され、合計500万円以上も支払ってしまった。
修繕から半年後に外壁に新たなひびが出てきたので、業者に保証修理を依頼したが、何度電話しても「都合がない」と言われ、ついに連絡が途絶えた。
手口④:「近所で工事をしている」と言うので点検を依頼した
隣家の新築工事をしている業者だという男性2人が訪ねてきて「工事の音はうるさくないか」など聞かれた後、「お宅の屋根が剝がれていて外れそうだ。ついでに直してあげる」と言われ、見てもらうことにした。
屋根の写真を何枚か見せられ「雨漏りの心配もある」「すぐに修理したほうが良い」と言われたが断ったが、2人が帰った後に、隣家で工事している業者に尋ねたら「われわれとは関係ない」と言われ嘘が判明した。
屋根修理詐欺の被害に合わないための注意点
屋根修理詐欺に合わないためには、いくつかの注意点を理解しておくことが重要です。
特に高齢者の人や実家を相続した一人暮らしの人は詐欺業者の標的になりやすいため、本章を通して被害に合わないための知識を身に付けていきましょう。
本章では、屋根修理詐欺の被害に合わないための注意点について解説していきます。
屋根修理詐欺の被害に合わないための注意点
- 即日で契約しない
- 訪問者を屋根に登らせない
- 複数の業者に見てもらう
- 必ず契約書を作成する
- 身元を確認する
即日で契約しない
屋根修理詐欺の被害に合わないためには、即日で契約しないことが重要です。
詐欺業者は一秒でも早く契約を結ぶために「今修理しないと雨漏りするかも」「シロアリが発生するかも」など、不安をあおるケースがあります。
上記を指摘する理由は、対象者が周囲に相談する時間を与えずに、即日で契約するためです。
しかし、実際のところ金額が高額になりやすいリフォーム提案において、業者側が契約を急がせることはありません。
即日での契約を求められた場合は「今日は決められません」ときっぱりと断り、家族や周囲の人に相談するようにしてください。
訪問者を屋根に登らせない
屋根修理詐欺の被害に合わないためには、訪問者を屋根に登らせないことが大切です。
屋根に登らせてしまうと業者が何をしているか見えなくなってしまうため、屋根を壊されたり、偽造の写真を見せられたりする可能性があります。
「無料だったら…」と点検してもらいたくなる気持ちも分かりますが、「無料で屋根に登って点検します」と営業してくるリフォーム会社はまともではありません。
訪問者からの提案には断りを入れ、信頼できる業者に点検してもらいましょう。
複数の業者に見てもらう
本当に屋根が壊れている場合でも、修理費用の相場感や修理内容の信頼性を確かめるために、複数の業者に見てもらうようにしましょう。
屋根修理詐欺を働く業者は、相場を遥かに上回る金額を提示してくるケースが多いです。
提案を受けた側も「これくらいかかるんだ」ぐらいの感覚で契約してしまいがちですが、1社からの提案だけで即決すると損してしまう可能性が高いです。
正規の値段でも業者によって修理費用は異なるため、屋根修理を業者に依頼する際は複数の業者に見てもらうようにしましょう。
必ず契約書を作成する
屋根修理を依頼する場合は、必ず契約書を作成するようにしてください。
正規のリフォーム業者との契約では必ず契約書が作成されますが、詐欺業者は後から追及された場合に備えて証拠となる契約書を作成せずに、口約束のみで作業に取り掛かるケースが多いです。
「今契約書が手元に無い」「後日こちらから発送する」など、契約書の作成を避ける業者は非常に危険であるため注意してください。
身元を確認する
業者から屋根修理の訪問営業を受けた場合は、必ず身元を確認するようにしましょう。
事例でも紹介したように「隣家の工事をしておりまして」などと名乗り、実際はどこの誰か分からないというケースもあるからです。
また、身元を提示されたとしても、その身元が本当なのか疑う心を忘れないようにしてください。
会社名等が記載してある名刺を受け取った場合は、実在する会社なのか、口コミはどうなのかを調べるようにしましょう。
屋根修理詐欺に気づいた際の対処法
「屋根修理詐欺になんて騙されない」と思っていても、詐欺業者は巧みな話術で契約を迫ってくるため、気づかずに契約してしまう人も少なくありません。
しかし、契約してしまったとしても、すぐに対処すれば契約を差し戻せる可能性もあります。
「契約してしまったから」と泣き寝入りせずに、屋根修理詐欺に気づいた際の対処法について理解を深めていきましょう。
本章では、屋根修理詐欺に気づいた際の対処法について解説していきます。
屋根修理詐欺に気づいた際の対処法
- 契約してしまったらすぐにクーリングオフ
- 被害者を増やさないためにも消費者センターに連絡を
- 高額な修理費用を請求されたら弁護士に相談
契約してしまったらすぐにクーリングオフ
業者と契約してしまった後に屋根修理詐欺に気づいた場合は、クーリングオフの手続きを行いましょう。
クーリングオフとは、業者と締結した契約を一定期間内であれば無条件で解除できる制度で、特定商取引法により認められています。
基本的にクーリングオフできる期間は契約書面の交付から8日間ですが、契約時にクーリングオフに関する話をされていない、契約書にクーリングオフに関する記載がない場合はいつでもクーリングオフすることが可能です。
参照:特定商取引法
被害者を増やさないためにも消費者センターに連絡を
業者と契約する前に屋根修理詐欺だと気づいた場合は、被害者を増やさないために消費者センターへの連絡にご協力ください。
屋根修理詐欺を行う業者は、詐欺にかかる人が見つかるまで訪問営業を行うため、「自分は騙されなかった」としても他の被害者が出てしまう可能性があります。
そのため、屋根修理詐欺の業者を抑止するには、詐欺を行う業者へ直接連絡してくれたり、詐欺被害を抑制するために注意喚起を行ったりしている消費者センターに連絡することが重要です。
詐欺業者に直接連絡することは大変危険であるため、屋根修理詐欺に気づいた際は消費者センターなど、第三者機関を活用しましょう。
高額な修理費用を請求されたら弁護士に相談
屋根修理詐欺に被害に遭ってしまった場合は、すぐに弁護士に相談しましょう。
詐欺の被害に遭ってしまった人のなかには「もう取り戻せないのではないか」と泣き寝入りしてしまう人も少なくありませんが、それでは詐欺業者の思うつぼです。
弁護士に相談すれば、詐欺でだまし取られたお金を取り戻せる可能性がありますし、詐欺業者の撲滅にもつながります。
屋根修理詐欺で騙された場合は、泣き寝入りせずに弁護士に相談するようにしてください。
まとめ|屋根修理詐欺に合わないためには信頼できる業者へ
今回は屋根修理詐欺について解説しましたが、なかには本当に屋根修理を依頼したいと考えている人もいるのではないでしょうか?
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