店舗の内装工事の主な流れは?坪単価・費用感や注意点なども解説
店舗の開業やリニューアルを考えている方にとって、内装工事は「大きな費用と時間」がかかるため、不安に感じることも多いのではないでしょうか。
費用や複雑な手続きを前に、一歩が踏み出せない方も多いかもしれません。
この不安を解消するためには、事前に工事の全体像を把握しておくことが重要です。
この記事では、店舗の内装工事の流れや坪単価、具体的な費用感、そして後悔しないための業者選びのポイントまで、専門家がわかりやすく解説します。
店舗内装工事の全体像と流れ
店舗の内装工事を成功させるためには、計画段階から引き渡しまで、各ステップを正確に理解しておくことが重要です。
しかし、初めての工事では、何から手をつけて良いのか分からず、戸惑ってしまうことが多いでしょう。
具体的な工事のプロセスを把握することで、全体のスケジュールをスムーズに進められ内装工事を成功させるための第一歩となります。
1.計画(コンセプト決め・スケジュール策定)
店舗の内装工事を始める前に、まず「どんな店舗にしたいか」というコンセプトを明確にすることが何よりも重要です。
ターゲットとなる顧客層はどのような人たちなのか、どのような雰囲気や居心地の良い空間を提供したいのか、具体的なイメージを固めていきましょう。
明確なコンセプトは、理想の内装を実現するための重要な指針となります。
コンセプトが固まったら、次に内装工事のスケジュールと予算を具体的に計画しましょう。いつまでにオープンしたいのかという具体的な日程から逆算し、工事の期間を設定します。
工事の遅れを考慮して、少し余裕を持ったスケジュールを立てることをおすすめします。
2.契約(現地調査・プラン・見積もり確認)
コンセプトと予算が決まったら、業者との具体的な打ち合わせに進みましょう。
業者は実際に物件を訪れ現地調査を行い、物件の広さや状態、電気や水道の位置などを細かく確認します。
オーナーの方の理想とする内装を形にするため、具体的なデザイン案やレイアウトを作成し、内装工事の費用見積もりを提示してくれます。
このプランや見積もりに相違があると、せっかくの工事が無駄になってしまうので、納得できるまで何度もプランや見積もりを調整し、最終的に合意してから契約を結びましょう。
3.着工(工事中のチェックポイント)
契約が完了したら、いよいよ工事の開始です。
着工後は、定期的に現場へ足を運び、進捗状況をチェックすることが大切です。
計画通りに工事が進んでいるか、想定外の追加で発生する費用はないかなどを業者と確認しましょう。
特に、電気や水道などの設備工事は、店舗の営業に直結するため、不具合がないか細かく確認してください。
4.引き渡し(最終確認とアフターフォロー)
工事がすべて完了したら、業者とともに最終チェックを行いましょう。キズや不具合がないか、電気や水道などの設備が正常に動くか細かく確認してください。
問題がなければ、鍵や書類を受け取る「引き渡し」となり、工事は完了です。
引き渡し後も、アフターフォローの有無を確認しておくと安心です。
店舗内装工事にかかる費用と坪単価
店舗の内装工事にかかる費用は、その規模や業態によって大きく変動します。
特に、坪単価という考え方は、予算を立てる上で非常に重要な指標です。
ここでは、坪単価の相場から、工事費用を左右する具体的な要因までを詳しく見ていきましょう。
業種・業態別の坪単価の相場
店舗の内装工事にかかる費用は、業種や業態によって大きく異なります。
例えば、軽飲食や物販店であれば坪単価20〜50万円が相場です。
一方、厨房設備が複雑に必要な飲食や、美容室やクリニックなどの特殊な設備が必要な場合は、坪単価50〜100万円以上になることも珍しくありません。
これらの相場はあくまで目安であり、店舗の広さやデザインの複雑さによって変動します。
費用事例
・15坪の美容室: 坪単価60万円の場合、内装工事費用の目安は900万円前後です。シャンプー台や給排水設備などの設置が必要なため、他の業種より坪単価は高くなる傾向があります。
・20坪のカフェ: 坪単価30万円の場合、工事費用の目安は600万円前後です。カウンターや簡単な厨房設備、客席の内装などが費用の主な部分を占めます。
・30坪の物販店: 坪単価25万円の場合、工事費用の目安は750万円前後です。壁面や什器、照明など、商品が映えるような内装デザインが重要になります。
スケルトンか居抜きかの違い
内装工事の費用は、主にスケルトンか居抜きかによって大きく変わります。
スケルトン物件は内装が何もないコンクリート打ちっぱなしの状態の事です。
そのため、一からすべてを造り上げる費用がかかり、坪単価は50万円以上になることも珍しくありません。
一方、居抜き物件は前の借主が使っていた内装や設備が残っている状態のことです。
既存の設備や内装を活かせるため、工事費用を抑えることができ、坪単価は20万円〜30万円程度に抑えられるケースも多いです。
また、内装のデザインや使用する壁材・床材、照明、設備機器のグレードなども費用に大きく影響し、特にこだわりの強いデザインは、コストアップの要因になりやすいので注意が必要です。
具体的な内装工事の費用イメージ
内装工事の費用は、店舗の広さやデザイン、使用する素材などによって大きく変動します。
例えば、10坪のカフェをスケルトンから内装工事する場合、坪単価50万円とすると、工事費用は500万円程度が目安となります。
ただし、特注のカウンターや照明、高性能な厨房機器などを導入すると、費用はさらに膨らむ可能性があります。
一方、同じ10坪でも、居抜きの美容室で元の設備が使える場合、坪単価30万円で工事費用は300万円程度に抑えられることもあります。
このように、内装の状況やこだわるポイントによって、費用は大きく変わります。
店舗の内装工事で注意すべきポイント
店舗の内装工事を成功させるには、信頼できる業者を見つけることが非常に重要です。
ただ、店舗の内装工事を成功させるには、いくつかの注意点を事前に把握しておくことが大切です。
業者選びだけでなく、工事の進行中や契約段階での確認事項をしっかりと押さえておきましょう。
想定外の費用や工期の遅延、さらには完成後の店舗のイメージが異なるなどのトラブルに発展する可能性があります。
契約前に確認しておくべき注意点
業者と契約する前には、いくつか確認すべき重要なポイントがあります。
工事内容や費用、工期が書かれた見積もり書を確認し、特に、「一式」とまとめられている項目は、どのような作業や資材が含まれているのか、必ず具体的に質問して明確にしておくことが大切です。
追加工事が発生した場合の費用負担についても事前に書面で取り交わしておくことが大切です。
また、万が一のトラブルに備え、工事中の損害賠償保険に加入しているかどうかも確認しておきましょう。
内装工事中の確認事項
内装工事が始まってからも、定期的に現場へ足を運び、進捗状況をチェックしましょう。
特に重要なのは、着工前に決めたデザインやレイアウト、使用する素材が計画通りに進んでいるかを確認することです。
例えば、壁の色や床材がイメージと違っていないか、指定した場所にコンセントやスイッチが設置されているかなど、細部まで確認することで後々の修正を防げます。
また、当初の見積もりに含まれていない追加費用が発生していないかなど、費用面での確認も重要です。
これらの注意点を事前に把握しておくことで、安心して店舗の内装工事を進めることができます。
信頼できる店舗内装業者選びのポイント
店舗の内装工事を検討する際、1社だけの見積もりで決めてしまうのは非常に危険です。
複数の業者から見積もりを取ることで、坪単価や工事費用の相場を正確に把握することができます。
また、各社のデザイン提案や得意分野、対応の丁寧さを比較することで、あなたの理想とする店舗の内装を最も理解してくれる業者を見つけることが可能になります。
相見積もりは、より良い条件で信頼できる業者に出会うための最善の方法です。
実績や得意分野のチェック
依頼を検討している業者が、店舗と同じ業態の内装工事実績を豊富に持っているか、必ず確認しましょう。
例えば、カフェを開業するならカフェの実績が、美容室なら美容室の実績があるかどうかが重要です。
業者のウェブサイトで過去の事例をチェックし、施工事例の写真やお客様の声を見ることで、業者の得意なデザインや施工の品質を具体的に把握できます。
地域密着型の業者を選ぶメリット
店舗の内装工事で地域密着型の業者を選ぶ大きなメリットは、そのエリア特有の事情に精通している点です。
物件の特徴や地域の建築基準、消防法や景観条例といった規制に詳しいため、スムーズな工事進行につながります。
また、地域に根差しているからこそ施工事例を実際に見学できるのも利点です。写真やカタログだけでは伝わりにくい仕上がりや素材感を、リアルに確認することで安心感が高まります。
さらに、同じエリアの店舗オーナーから評判や口コミを直接集めやすいのもポイントです。
これらの要素を総合すると、地域密着の業者は信頼性が高く、トラブルを未然に防ぎやすい存在と言えます。
複数の見積もりで最適な業者を見つける
内装工事の費用を適正に判断するためには、必ず複数の業者から見積もりを取るようにしてください。
提示された坪単価や工事費用を比較するだけでなく、どのようなデザインを提案してくれたか、こちらの要望をどこまで汲み取ってくれたかも重要な判断基準です。
各社の強みや得意な内装スタイルを比較することで、あなたの理想の店舗を実現してくれる最適なパートナーが見つかります。
店舗の内装工事の主な流れは?|まとめ
店舗の内装工事で理想の店舗を実現するためには、工事の費用相場や流れを事前に把握し、信頼できる業者選びが最も重要になります。
まずは、内装工事の流れや坪単価、費用相場を正確に把握し、無理のない予算とスケジュールを立てることが成功への第一歩です。
そして、最も重要なのが「業者選び」です。
インターネットで検索するだけでなく、実際に手がけた事例を見せてもらったり、丁寧なヒアリングを行ってくれるかを見極めることが大切です。
また、費用を適正に判断し、より良い提案を引き出すためには、決して1社に決めず、必ず複数の業者から見積もりを取りましょう。
複数の業者を比較検討することは、工事費用を抑えるだけでなく、あなたの想いを深く理解してくれる、最適なパートナーを見つけるための最善の方法です。
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