床リフォームの費用はどれぐらい?施工のタイミングや費用を抑える方法も解説
床のリフォームを検討する時に、「費用はいくらかかるのか」「安くリフォームできないのか」と言った疑問を持つ方は多いでしょう。
床のリフォームは、既存の床を剥がして床材そのものを張り替える方法と、既存の床の上から新しい床材を重ねる2つの方法があります。
床の素材によってもリフォームのタイミングや費用が異なるので、本記事では床のリフォームをするべきタイミングや施工方法、費用相場を詳しく解説します。
また、費用をなるべく抑えて床リフォームを行う方法についても解説しますので、現在ご自宅の床の状態が気になる方はぜひ参考にしてみてください。
【床材別】リフォームのタイミング
「床のリフォーム」と言っても、住まいの床はフローリングやクッションフロア、フロアタイルなど複数の種類があり、リフォームを検討するタイミングも異なります。
以下では、リフォームの目安として覚えておきたい時期を床材の種類別に分けました。
畳のリフォームは、裏返して畳縁を交換する「裏返し」、畳表と畳縁を交換する「表替え」、すべてを新しくする「新調」の3通りがあります。
上記で記載した時期はあくまで目安のため、「歩くと床が軋むようになった」「特定の場所が浮いている」「大きな傷が気になる」など、床の劣化が気になった場合は早めにリフォームを検討しましょう。
床のリフォームの施工方法は2種類
床リフォームの方法は「張り替え工法」「重ね張り工法」の2通りがあり、それぞれで特徴が異なるため、リフォームの予算や住まいの状況に合わせて選択することが大切です。
ここでは、張り替え工法と重ね張り工法の特徴やメリット、気をつけておくべきポイントを解説するのでぜひ参考にしてみてください。
- 張り替え工法
- 重ね張り工法
1.張り替え工法
張り替え工法は、既存の床材を剥がして新しい床材を張る工法で、床の高さを変えずに見た目も綺麗に仕上げやすいのが特徴です。
また、普段はチェックしない下地の腐食や劣化なども併せて確認・補修でき、特に床の軋みや沈みが気になる場合は、補修することで根本的に解決できるのがメリットと言えます。
仕上がりも美しく、劣化や損傷の対応も可能な張り替え工法ですが、廃材処分や撤去作業が別途発生するため、重ね張り工法に比べて費用と工期が増加しやすい傾向です。
2.重ね張り工法
重ね張り工法は、既存の床材の上にそのまま新しい床材を重ねて張る工法です。
既存の床を剥がす必要がないため、張り替え工法に比べて安価にリフォームが可能な点と、短い工期で施工できるのが重ね張り工法のメリットです。
一方で、重ね張り工法は床の高さが上がるので、ドアと床が干渉する場合はドアを加工しなければならない点や、下地の状態が確認できず腐食や劣化などの問題が発見しづらい点に注意しましょう。
【工法別】床のリフォーム費用相場
床のリフォームは素材によって費用が異なる他、「張り替え工法」「重ね張り工法」のどちらを選ぶかでも最終的な予算が変わります。
またリフォームする面積によっても費用は大きく変わるので、以下では床リフォームの費用相場を工法と広さに分けて解説します。
フローリング
フローリングは合板の表面に天然目や化粧シートを張り合わせた「複合フローリング」、天然木の一枚板から作られる「無垢フローリング」に分けられ、費用は無垢フローリングの方が割高になる傾向にあります。
フローリングのリフォーム費用相場は、以下の通りです。
【複合フローリング】
【無垢フローリング】
金額に幅があるのは、クッションフロアからフローリングに張り替える場合や、畳からフローリングに張り替える場合で費用が変わるためです。
特に畳からフローリングに張り替える場合は、下地の素材から張り替えるので費用が高くなる傾向にあります。
クッションフロア
ポリ塩化ビニル素材で作られたシート状のクッションフロアは、耐久性・防汚性のどちらも優れており、洗面所やキッチンといった水回りに多く使用されています。
クッションフロアのリフォーム費用相場は、以下の通りです。
フロアタイル
フロアタイルは、塩化ビニル製のタイル状床材で、耐久性・耐水性に優れておりメンテナンスも簡単に出来るのが特徴です。また石目や木目などのリアルな質感も表現可能で、玄関土間やキッチンに用いられる傾向にあります。
フロアタイルのリフォーム費用相場は、以下の通りです。
リノリウム
リノリウムは、天然素材であるコルク粉や亜麻仁油などを原料とする床材で、環境に優しく、耐久性・抗ウイルス性の高さが特徴です。
主に学校や病院などの施設で使用されるリノリウムですが、住まいではキッチンやトイレなどで使用されることが多い傾向にあります。
リノリウムのリフォーム費用は㎡で算出されることが多いため、本記事でも㎡をもとに費用相場を記載します。
リノリウムは硬くて耐久性もあるため、張り替える場合は下地も問題がないか調べるケースがほとんどです。
そのため、上記では下地補修の料金も記載していますが、一般家庭でリノリウムへの張り替えをお考えの場合はまずリフォーム業者に相談しましょう。
畳
畳はイグサを用いて作られる床材で、断熱性や吸湿性に優れており、一年を通して快適に過ごせるのが特徴です。
畳は寝室や和室で使われることが多く、クッション性も高いため転倒した際も比較的安全です。
畳のリフォームは「裏返し」「表替え」「新調」それぞれで費用が異なります。
床のリフォーム費用を安く抑える方法
ここまで床のリフォームは床材や工法によって費用が変わることについて触れてきましたが、ポイントを押さえることで床のリフォーム費用は安く抑えることが可能です。
以下ではコストを抑えて床リフォームを実施する方法を3つに分けて解説するので、これからリフォーム業者への依頼を検討している方はぜひ参考にしてください。
- 複数業者から見積もりを取る
- 重ね張り工法を選択する
- 補助金を活用する
複数業者から見積もりを取る
床リフォームを依頼する際は、はじめから1社に絞らず、3社程度から見積もりを取ることで適切な価格を把握しやすくなります。
リフォーム業者は数多く存在し、費用や提案内容も異なるため、相見積もりを取ることは極端な金額を提示する業者を避ける判断材料としても最適です。
また相見積もりを取る際は、リフォーム条件や想定している予算を統一して伝えれば正確に比較できます。
もちろん金額だけではなく、施工内容やサービス、保証内容と言った面も含めて総合的に比較することが大切です。
重ね張り工法を選択する
床リフォームでコストを抑える方法として、重ね張り工法を取り入れるのも一つの手です。
重ね張り工法は既存の床の上から新しい床材を張る方法で、既存の床撤去や廃材の処理を行わないため、リフォーム費用を大幅に削減可能です。
ただしこの工法は既存の床よりも高さが上がるため、ドアの加工が必要になるケースも少なくありません。
また、重ね張り工法は以下のようなケースでは施工ができない場合があります。
- 床暖房を設置している
- 既に重ね張りをしている
- 下地に腐食や劣化などの問題がある
この他、マンションでは管理規約によって床の遮音等級が定められており、使用する床材によっては重ね張りが出来ないことも考えられます。
床リフォームで重ね張りを検討する際は、マンションの場合は管理規約などの確認を行い、リフォーム業者に相談しましょう。
補助金を活用する
リフォームで特定の条件を満たす場合、国または地方自治体の補助金や助成金制度を利用できる場合があります。
2025年4月現在、床リフォームにおいて活用できる補助金は以下のようなものがあります。
- 介護保険(滑り防止の床材変更など)
- 子育てグリーン住宅支援事業(床部分の断熱工事など)
- 既存住宅の断熱リフォーム支援事業(床を含む断熱改修)
例えば、介護保険を活用してリフォームを行う場合は「滑りの防止または円滑に移動するための床材の変更」であれば支給限度額20万円のうち、最大18万円が支給されます。
介護保険の場合は、利用者の所得または年齢によって支給限度額20万円から1~3割が自己負担となります。
また、介護保険の住宅改修費支給は「要支援・要介護の認定を受けており、自宅で生活している」方が対象となるため自宅以外に住んでいる方は適用対象外となります。
「子育てグリーン住宅支援事業」「【全国対象】既存住宅の断熱リフォーム支援事業」の補助金額は以下の通りです。
上記はあくまで上限の金額であり、補助金額はリフォーム内容に応じて決定します。
また、国や地方自治体などの「資金源が異なる」場合の補助金・助成金制度は併用が可能ですが、自治体によっては資金源が国の場合もあるため注意が必要です。
このように床のリフォームには補助金が活用できるケースもありますが、申請条件などがそれぞれ異なるため、活用する際は熟知しているリフォーム業者へ相談するのが適切と言えます。
床のリフォームに関するよくある質問
初めて床のリフォームを考えている方にとって、「自分でリフォームできないのか」「どれぐらい日数がかかるのか」といった疑問を持つこともあるでしょう。
ここでは床リフォームにまつわる疑問を3つ挙げて解説しますので、実際にリフォームを依頼する前にチェックしてみてください。
- 床のリフォームはDIYできる?
- 床のリフォームにかかる工期は?
- マンションの床のリフォームは規定を要確認
床のリフォームはDIYできる?
DIYで床をリフォームする場合は、上からクッションフロアなどを貼り付ける方法であれば可能です。
DIYでの床リフォームは自分好みのデザインにできたり、コストを下げられたりするメリットがあります。
一方で、フローリング自体を剥がす場合や、床暖房を導入している場合、床材を張った際に高さがついてドアと干渉してしまう場合などはプロに依頼するのが無難です。
床のリフォームにかかる工期は?
床リフォームの工期は施工方法と広さによって異なりますが、張り替え工法で3日ほど、重ね張り工法であれば1日以内に終わることが多い傾向です。
ただし、床の下地に腐食などの問題があった場合や、20畳以上など広い範囲、複数の部屋を施工する場合は数週間かかるケースもあります。
上記はあくまで目安の日数となるため、実際の工期については依頼時に確認しましょう。
マンションの床のリフォームは規定を要確認
マンションは戸建と違って自由にリフォームできないことが多く、マンションの管理規定に従う必要があります。
マンションでは、ほとんどの場合生活音に配慮した遮音規定が設けられており、遮音等級を満たさない床材に関しては使用できないケースもあります。
また、リフォームする際は管理組合への届け出が必要な場合が多く、勝手に施工を進めるとトラブルに発展する点にも注意が必要です。
リフォーム中は共用部である廊下やエレベーターを利用することになるため、資材置き場や養生方法についても事前に確認しておきましょう。
床のリフォーム費用相場と安く抑えるコツのまとめ
床のリフォームにかかる費用は、フローリングやクッションフロアなどの床材の種類によって変動します。
リフォーム方法は張り替えと重ね張りの2通りがあり、条件が合えば重ね張りの方が費用を安くすることが可能です。
床リフォーム費用を安くしたい場合は、複数業者から見積もりを取る、可能であれば補助金を活用する方法など複数の方法があるため、少しでも分からないことがあればリフォーム業者へ問い合わせてみましょう。